打ちまくる理想のバッティングフォームが身につく8ステップ。これさえ守れば基本はOK

どんなスポーツでもそうですが、正しいフォームをなるべく早い段階で身につけておくことはとても重要です。この記事ではバッティングのフォーム作りについてできる限り細かく噛み砕き、誰もが使えるような内容に構成しました。きっと、あなたのフォーム作りの手助けになるはずです。

STEP❶ まずは基本的な動きから覚えよう

構え

「構え」とは、ピッチャーがいつ投げてきてもいいように、打者側が準備完了している状態をいいます。ですから、プロ野球やメジャーリーグを見れば明らかなように、構えには基本という型はなく、千差万別、自由であるというところが特徴です。

打てる選手は「構え」が違う。正しいバッティングの構え方

深呼吸でリズムをつくる

打席に入ったら、一度大きく深呼吸をし、心と体を落ち着かせます。

ポイントは、呼吸を吐くときに、おへその少し下あたりの「丹田」という場所にスーっとゆっくり落とし込んでいきます。つまり、「酸素を肺にため、それを丹田に落とし込む」という感覚です。この呼吸法をすることで、構え自体にどっしりとした安定感が生まれます。

もし、力が入ってリキんでしまったり、リラックスモードに上手く入れない場合は、構えが自分に合っていないというサインなので、違った構え方を試してみてください。

バットの握り

ポイントは2点

1.握り方は「手のひらの真ん中」

インパクトでボールを強く打ち返すためには、手のひらの一番力が入るところで握っている必要があり、それはちょうど手のひらの真ん中です。タイヤなどを押し返す練習をすることで分かります。

2.力の入れ方は「両手の小指」

バットを握る力の入れ方は、両手の小指にだけ力を入れておけば、残りの指は遊ばせて手のひらに力を入れなくてもバットは自分の思い通りにコントロールできます。この感覚は傘をさしてみることでよく分かります。(無駄な力を入れないという意味で同じ感覚です)

自分の構えが分からない場合はマネから入ろう

プロ野球やメジャーの選手、あるいは高校野球でも周りの友達でも誰でもいいので、「あ!いいな!」って感じる選手がいたら、その選手の構えやフォームを真似してみましょう。感覚的にしっくりくるまで、ひたすら真似して試します。

バッターボックスの立ち位置

基本的には、打席の一番後ろに立てば、バットの芯に当たる確率は最も高くなります。しかし実際は、やはり個人差があるので、理想の立ち位置は人それぞれ微妙に変わってきます。詳しい記事はコチラ➤

 

テイクバック

「テイクバック」とは、パワーをためる段階の動きです。テイクバックをしっかりとらないと、バットを振るためのパワーが生まれないのでパワフルなスイングができません。

パワーをためる場所

パワーをためる場所は3か所、へそ(丹田)・軸足・押し手(左打者の左腕) これら3カ所にためる意識でテイクバックをとることで、確実に力は貯まり、かつフォーム全体のバランスも崩れにくくなります。

前の肩が入り過ぎないように注意する

テイクバックで注意したいのは、前の肩(左打者なら右肩)の入りです。どうしてもパワーをタメる際に、上半身をグイッと捻りたくなりがちですが、捻ってよいのは基本的に下半身だけです。前肩が入り過ぎてしまうと、その分、スイング時の肩の開きも早くなるので絶対に避けなくてはいけません。

 

トップ

「トップ」とは、振り出し前の準備の最終段階をいいます。つまり、「もういつでも振れるよ!」の段階です。しっかりとしたトップの形を決めることができれば、どのコースや球種にも対応できるので高アベレージを残すことが可能となります。

グリップの位置

グリップの位置は、必ずストライクゾーンよりも上に置いておきましょう。理由は単純で、ストライクゾーンよりも下にあったら、高めのボールに対して100%バットが下から出てしまうからです。

ステップ(踏み込み)

ステップに関しては、親指つま先(または母指球)でタイミングを探りながら踏み込んでいきます。ポイントは「探りながら」です。絶対に駄目なのは足裏全体でドーンと踏み込んでしまうこと。これをやってしまうと、力が外へ逃げますし、ボールの急な変化にも対応できません。

 

振り出し

ここから、ようやくスイングに入るわけですが、すぐにバットを振ろうとしてはいけません。「振り出し」で重要なのは、「振る」ではなく「捕まえる」ことです。

ボールをグリップで捕まえる

バットが遠回りせず最短距離でスイングするには、「グリップで捕まえる」という感覚が必要になります。この感覚をマスターすると、最終的にはスイングがムチのようにしなやかな軌道を描くようになります。(=飛距離がでます)

押し手のヒジをしっかりたたむ

押し手とは、左打者なら左手です。ここでは、押し手のヒジはしっかりと、たたまなければいけません。たたみ方が甘いと、ドアスイングになったり手打ちになったりしてしまいます。

 

インパクト

ここで考えたいのは、ボールに対してどうやってバットを当てていくのか?という問題です。

ボールに対して、どうバットを当てていくのか?

強烈な打球を打ち返すためには、左下図の「ダウン&レベルスイング」で、ボールに当てていく必要があります。理由は、バットとボールの接触面をなるべく広くとりたいからです。バットとボールの接触面を広くとれれば、バットスイングの力は100%、ボールに伝わっていきます。

アッパースイングの駄目な点

アッパースイングの問題点は、この接触面が「面」ではなく「点」になり、どうしても狭くなってしまうところにあります。つまり、スイングスピードが速いわりに打球が飛ばない選手というのは、接触面が狭く、力の伝達効率が悪くなっていることが一番の原因です。 打球がキレイに伸びていかずに、ドライブ回転になりがちな人は、そのサインなので、ダウン&レベルスイングにすぐに修正しましょう。

両足の比率

バッティングでよく議論になる「軸足と踏み込み足、どっちに重心をおくべきか?」という問題ですが、基本的には、テイクバック時に70対30、インパクト時に50対50が基本です。この両足の比率が崩れたときに、弱い打球になり凡打になるのです。

 

フォロースルー

バッティング動作における最後のフィニッシュです。

押し手のヒジは伸ばしきる

インパクトでボールをとらえたら、そのまま押し手のヒジを打つ方向へ向かって押し出し、伸ばしきります。その反動で、手首が自然と返ります。つまり、手首を意図的に返そうとする必要は全くなく、むしろそれをやってしまうとコネる癖がついてしまうので避けたほうがいいでしょう。

限界まで大きくとる

最後のフォロースルーは、バットをマウンドへ放り投げる感覚で前へ大きくとっていきます。体が大きい選手も、小さい選手も全員これが基本です。打球の強さが増すのでヒットになる確率も上がります。

想いを乗せる

最後は、「イケー!」って強い気持ちをこめて振り抜きます。意外とココ重要です。

 

STEP❷ とりあえず大事なポイントを3本おさえよう

 

ポイント➀体の中心線

「軸足が一番大事だ!」「いや、踏み込み足のほうが大事だ!」どちらも大事な要素ですが、そもそも、僕らは片足一本じゃ歩けませんし、スイングだって当然できません。つまり、どっちも同じくらい大切で、両方しっかりと使おうと思ったら最後は「体の中心軸」に行き着いてしまうのです。

世界で最も安定した中心軸をもつバリー・ボンズ

世界最高打者バリー・ボンズ、彼が打つときに最も大事にしていた要素が「体の中心軸」でした。構えからインパクトまで、中心線が全くブレていないところに注目してください。これが実現できるのは、土台となる両の足をしっかりと意識して使えているからなのです。

 

ポイント②軸足

バッティングフォームは大まかに分けると3つのフェーズに分かれます。 力をタメる 我慢する 爆発させる この中枢を見事にになっているのが軸足です。

パワーをためる

構えからテイクバックにかけて、軸足をしっかり固定し、パワーを蓄積していきます。

我慢する

ここからステップしていく段階に入りますが、軸足にはまだ100%パワーが蓄積されている状態です。ここではパワーを逃さないための我慢が必要なので最低限の軸足の強さが求められます。

爆発させる

我慢してタメてきたパワーを一気にボールにぶつけていきます。

 

ポイント③ダウン&レベルスイング

バットの重さに逆らわずに、バットの重りを利用しながら、ボールにインパクトしていきます。見た目はレベルスイングに見えますが、バット自体はダウンで軌道してるので、「ダウン&レベルスイング」といいます。

理屈としては簡単で、「バットの重りを利用しながら振る」ただそれだけのことです。これは、極端なダウンスイングでもなければ、一般的に言われているレベルスイングとも違います。

 

 

STEP❸ 一流のプロのフォームをマネてみよう

 

ミスター脱力「イチロー」

イチローのフォームで真似してほしいところは、「脱力」です。彼の動きには無駄なリキみが一切なく、最小限の力で最大限のパワーを生み出せています。特に、腕全体の使い方を見てほしいですが、非常に柔らかくしなやかで、腕の力(握力)は、ほとんど使っていないにもかかわらず、スイングスピードはトップクラスです。

抜けば抜くほど・・・

大事なのは、腕の力を抜けば抜くほどバットは加速するということです。例えば、体温計を「ビュッ!」と素早く振ろうとしたら、初動だけ必要最小限の力を使うだけであとは全く握力とかは使いません。抜けば抜くほど加速するとは、そういう感覚です。これは是非マネしてみたい技術です。

 

誰もが参考にできる基本の鬼「内川 聖一」

彼が毎年あれだけの安定した成績を残せている要因は、抜群に安定した「体の中心軸」があるからです。ピッチャー側からすると、上手くタイミングを外したと思っても、肝心な中心軸が崩れてくれないから結局いとも簡単に彼のポイントで打たれてしまうのです。

安定した「体の中心軸」の作り方

安定したフォームは、安定した中心軸から。安定した中心軸は、安定した下半身から生まれます。つまり、まずは下半身の強さとバランスに磨きをかけることが安定したバッティングフォームへの近道だと言えます。

 

ケツで運ぶ「森 友哉」

彼の持ち味といえば、なんといってもスイングスピードです。身長170センチで不利な体格にありながら、あれほどの強い打球を打ち返えすことができるのは、やはり体の使い方にポイントがあります。

小柄な選手が参考にできるフォーム

彼のパワーの源は、お尻の使い方にあります。お尻にためて、お尻で運ぶイメージです。 人間の筋肉は約70%が下半身に集中しているので、パワーを効率的に生み出すには上半身ではなく下半身を中心とした動きをする必要があります。彼のフォームではそれが見事に体現できているので、小柄な選手たちには是非とも参考にしてもらいたいです。

 

STEP❹ 「絶対にやってはいけない禁止事項」に気をつけよう

 

打席でコレをやると打てません!
「打ちたい!!!」と過剰に思ってはいけない
タイミングが遅れてはならない
前の肩(右打ちなら左肩)を入れ過ぎてはいけない
踏み込み足がインステップしてはいけない
腕力に頼ってはいけない
バットの重さに逆らってはいけない
手首を無理に返してはいけない

練習と試合でフォームが変わる人が実は結構います。おそらく原因はココにあります。「自分かも?」って思ったらチェックしよう!

 

STEP❺ さぁ!実際に試し打ちをしてみよう

 

フォームチェックに適してるのは遅い球

いよいよ実際に打ってみるわけですが、フォームチェックの際にオススメしたいのは、できるだけ遅いスローボールを打ってみることです。

速いスピードボールでは上半身だけの手打ちスイングでも飛んでいきますし、フォーム作りの観点からはあまり有益ではありません。

とにかく打球の「質」で判断しよう

良いフォームか? 悪いフォームか? を判断するときに一番確実な方法は、打った打球の「質」を見ることです。

例えば、間違ったフォームで打ったときの打球はドライブ回転ですぐに失速しますが、正しい打ち方ができたときは打球は綺麗な回転でグングン伸びて飛距離もでます。重要なのは頭で考えて判断することではなく、実際の結果を見て判断することです。

 

STEP❻ 素振りなどの反復練習でフォームを固めよう

 

反復練習の定義と重要性

反復練習とは = 新たな運動神経を習得するために行う連続的作業です。 各業界の一流の人間が口をそろえて言うのが、「量は質を凌駕する」つまり、量や数がある一定のラインを超えると、そこから急に世界が変わりだすということです。

フォーム作りに最適な練習法トップ3

1位 素振り

基本的には一人でやるのがベストでしょう。大勢で振るのとは集中度合いが違いますし、なにより試合で打席に立っているのは、あなた1人だからです。ただ、少年野球をやっている子供の場合、まだまだ理論なども確立していないので、親やコーチがついてマンツーマンで行うのがいいでしょう。素振りの最大の利点は、いちいち打球を気にしなくてもいいところにあります。

素振りは全員に効果ない。正しい素振りのやり方とは?

2位 トスバッティング

トスバッティングの利点は、とにかくいろんな種類をアレンジ自在で打ち込めることです。それこそ無限の数ほどの組み合わせが存在するので自分に合ったオリジナルのやり方を見つけていくのもありです。

3位 ロングティー

この練習は、ボールを遠くへ飛ばす技術を身に付けるのに最適です。遠くへ飛ばす技術はバッティングの原点とも言えます。

 

その他⇒ 効果抜群!バッティング上達の練習方法と器具まとめ

 

STEP❼ いざ実戦へ

 

ひたすら楽しもう

すべての本質はここだと思います。好きなポイント、楽しめるポイントは人それぞれですが、やはり本気で夢中になれることこそが上達のための唯一の土台なんだなぁと最近つくづく感じるのです。

次なる課題を明確化しよう

本番や試合に挑むことで、練習では見えなかった「何か」が必ず浮き彫りになってきます。その新たな課題を野球ノートに書きこみ明確化することで、進むべき方向性が見えてきます。要は、100の理屈より1の実践なのです。

 

STEP❽ 必ず利用したい「上達ツール」

 

メモをとろう

メモをとることの利点

・頭の中を整理できる
・現状を把握できる
・やるべきことが明確になる
・意外な発見がある

などなど、メモをとることは実はいいことだらけなのです。試合での反省点はもちろん、ふだんの練習の時から気づいた点などはメモをとっていく癖をつけましょう。

メモをとる内容

・良かった点
・悪かった点
・感じたことや発見
・次までの課題

これだけでも十分なので是非やってみましょう。

スマホで動画をとり、こまめにフォームをチェックしよう

今はIT時代なので、誰でもスマホやアプリを使って自分のフォームを分析できます。スローモーション動画は簡単に見れますし、1ヶ月単位で記録して変化を観察するのもいいでしょう。こういったテクノロジーはどんどん使っていきましょう。

例えば、僕がいつも愛用しているスマホ用の三脚はこれです。安くてカッコいいし機能性も全く問題ないのでおススメです。せめてこれぐらいは持っておいたほうがいいと思います。

 

最後に

バッティングフォームを作っていく際に、ほとんどの選手が「自分の悪いところ」ばかりに目を向けがちですが、弱点の克服だけでは無難な選手にはなれても突き抜けることは絶対にできません。少しだけ見る角度を変え「自分の良い部分って何だろう?」にフォーカスすることで、意外と楽に上手くなったりしていきます。

なるべく長所と短所、両方をセットで考えていきたいものです。


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千葉県在住の30才。野球スクールの運営やボディケアアドバイザーとして活動中。最近特にメロンが好き。 この人に質問する➤

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