「バッターボックスの立ち位置」というテーマは、どのメディアでもほとんどピックアップされませんが、打者にとって立ち位置というのは実は、成績にダイレクトに影響するほどの大事なテーマです。
結論から言ってしまうと、打席の一番後ろに立てば、バットの芯に当たる確率は最も高くなります。
だけど実際は、個人差があるので、理想の立ち位置は人それぞれ微妙に変わってきます。
とはいっても、バッタータイプによって、ある程度は決めることができるので、そのへんに関してこの記事で解説していきます。
良いバッターは皆、立ち位置にこだわりを持ち、自分に合った立ち位置がどこなのかを数ミリ単位で記憶しています。
この記事をヒントにすることで、必ずや理想の立ち位置が見つかることでしょう。
もくじ
❶好打者が立ち位置にこだわる理由
バッティングにはとても精密な動作が求められ、バットを変えたり意識を少し変えたりするだけで大きく結果は変わります。打席での立ち位置もその一つで、打席の立ち位置一つでボールの見え方は変わります。ボールの見え方が変われば、バットの出方も変わります。つまり、こういうデリケートなスポーツで結果を出すためには、とにかく自分のタイプを自分で分かっていなければ話にならないわけです。
スタートとしては、まずは自分のタイプを知り、次にどういうバッターになりたいのかを決めておきましょう。
❷バッターボックス内でのルール
構えの段階
投球前の構えの段階では、完全に両足がバッターボックス内になければいけません。バッターボックス内であれば、どの位置でも構えることができます。ですからA、B、Eは駄目です。
ラインを踏んで構えるのはOK
バッターボックスのラインはバッターボックスの一部とみなされるため、Cのようにライン上を踏んで構えることはOK。ただしハミ出るのは駄目なので注意される。
打ちにいった段階
踏み込んだ足が外に出てしまっても、バッターボックスの白線にスパイクが触れてさえいれば、足の99%がはみ出ていてもOK。ですからE以外は大丈夫です。
足が完全に出ちゃった場合どうなる?
Eのように打ったときに足が完全に出てしまったときは、その打球がフェアかファールに関係なくアウト。それがホームランだったとしてもアウトです。(*空振りだったときは打っていないので足がでていてもアウトにはならずストライクとなる)
ラインを基準にして立つとヤバい
バッターボックスのラインというのは、そのときの球場によって若干、幅や長さが違います。なので、ラインを基準にして構えると普段とは違った立ち位置で立ってしまってる可能性があるので、非常にマズいです。
どこの球場でも、つねに同じ立ち位置で立つためにはラインではなく、ホームベースを基準に立ち位置を決めるクセをつけておきましょう。
❸打席の立ち位置で変わるメリット・デメリット
A 俊足の左バッタータイプ
とにかく少しでも速く一塁を駆け抜けたい俊足タイプの左バッターに有効で、ここからさらに走り打ちをすれば、かなりのスピードで一塁に到達できます。速いボールに強いという特徴もある。
B 小技系タイプ
一塁までの距離が近いのでセーフティバントも有効で、さらにはデッドボールをもらって出塁できるメリットもあります。速いボールに強いという特徴もある。
C ロングタイプ
背が高い選手や、腕が長い選手がよく使う立ち位置でインコース克服のためにこの立ち位置に変える選手も多い。バットを長く扱えて、ボールも長く見れることから長距離ヒッターの立ち位置ともいえます。
D 確実ミートタイプ
ボールを長く見れるのと、全コースに余裕でバットが届く安定性がDの立ち位置の良いところです。
例えば最近の高校野球では、Dタイプが主流です。特に地方大会とかだとアウトコースのボール2つ分、外れた球でも平気でストライクをとられるので、ある程度ベースに近づいておかないと難しいというわけです。
特質タイプ
このタイプは、相手投手やランナーの有無、あるいは自分の調子などを見ながら、立ち位置をチョコチョコ変える器用なバッターです。ポイントは、「今、ベストな立ち位置」をつねに考えておくということです。
「今」にフォーカスしているので、最も合理的ではありますが、普通は、こういうことをしてしまうとバッティングを崩しますのでおススメはできません。
❹なにを優先するかで立ち位置が決まる
長所を活かす
例えば、足を生かしたい選手はA・Bのどちらかでいいでしょうし、ランナーを返すクリーンアップを任されているんであればC・Dあたりになります。自分の生かしたい部分が明確にあるのなら、それが生かせる立ち位置で立ったほうがいいでしょう。
弱点を減らす
弱点克服のために立ち位置を変えることもあります。例えば、どうしてもインコースが苦手な選手は、もしかすると単にベースに近過ぎただけだったという可能性もあるからです。そういう場合は、打撃技術ばかりを追いかけていても問題は解決しません。
確実性を重視する
バッティングはボールを長く見れたほうが有利なわけですから、捕手寄りのC・Dあたりに立つのが最も基本だしミートできる確率も高くなるわけです。特に強いこだわりなどが無いのであればC・Dあたりで余裕を持ってボールを見るようにしたほうがバッティングの性質上いいかと思います。
バランスを重視する
「ボールは長く見たいけど、一塁にも速くいきたいし」というような、あっちも良いしこっちも良い。みたいな選べない人の場合は、単純にその中間をとるのがいいでしょう。
結局のところ、どこを選んだって最終的には妥協になるので、メリットがあればデメリットも生まれます。
相手投手によって立ち位置を変えるのはアリ?ナシ?
結論から言ってしまえば、ナシです。最初にも言ったように、バッティングはデリケートですから、ちょっとでも見え方が変わってしまえば動き方にも変化が起こります。ですから、打席の立ち位置はバット同様、簡単に変えるべきではありません。
ただし例外として、生まれつき器用な人間っているので、もし自分はそっち側だと思うのであれば、相手投手に合わせて大胆に変えていくこともアリです。それはもはや一つの才能ですから、敵の嫌がることをひたすらやっていくことに磨きをかければ、それは大きな武器になるはずです。
❺プロ野球選手の立ち位置は?
イチロー
B.小技タイプ
大谷翔平
D.確実ミートタイプ
長野久義
C.ロングタイプ
二岡智宏
A.俊足左バッタータイプ
【おまけ】バントの時の立ち位置
基本的にはBの立ち位置で構えます。C・Dからバントすると、ラインの外からフェアグランドに転がっていくことになるので、ファールになる確率が上がります。
バレバレなことはするな!
ただし重要な点があって、それは「打つ時とバントの時で立ち位置が変わる」という点です。この違いには普通のキャッチャーであれば気がつきますので、攻撃側としては良くありません。
ですから、構えの時点では通常どおりの立ち位置で立ち、そこからAの立ち位置へ移動してからバントするのが基本動作となります。
「たぶんバントだけど、バスターもありえる」って思わせておかないと、前進守備でバント失敗になりかねないのです。
まとめ
打席の一番後ろに立つことで、バットの芯に当たる確率は最も高まりますが、それはあくまで基本です。
本当に、自分にぴったりのバッターボックスの立ち位置は、「自分は何をするのか?」によって決まります。ですから、まずは自分のタイプや性格、目標、チーム内での役割などをできるかぎり自己リサーチし、それらを反映したうえで、この記事にある表などを参考にしながら、自分にぴったりの立ち位置を決めてください。
ある程度の位置が決まったら、忘れないようにベースからの距離をメモ帳に書きとめておきましょう。
次はバッティングフォームを覚えよう!
打ちまくる理想のバッティングフォームが身につく8ステップ
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